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翻訳して土俵な最短距離

昨日の話ですが。

「bはaの2倍。cはbの2倍。では、cはaの何倍?」

という質問を中3のある生徒にしたのですが、見事に分かりませんでした。
おそらく、この質問に答えられない子はこの子だけではなく、多数います。

これくらいことが即答できない状態で高校に入ったところで、高校内容を理解し、問題を解くことなんぞ普通はできませんから、中学の間に、できれば小学生の間になんとかしたいところです。

というか、なぜこのような問に答えることができないのか。その原因はなんなのか。

これに対して「頭が悪いから」と答える人がまれにいますが、それは完全に誤りです。
もちろん、正しくはこのような問に答えることができない状態を「頭が悪い」というのです。
原因と結果をさかさまに考えてしまっていて、それをこそ「頭が悪い」と、以下省略。

話を元に戻します。できない原因です。
原因はいろいろ考えられます。ただ、はっきりと分かることのひとつは、こういうことができない子、というのは「問題の消化」が全くできていません。いや、「消化」というよりは、自分に分かる形に「翻訳」していない、というほうが正しい比喩かもしれません。


例えば「bはaの2倍。cはbの2倍。では、cはaの何倍?」と聞かれたときに、

a:○
b:○○

とヴィジュアルでイメージする人もいるでしょう。
この人は、

c:○○と○○

とイメージするでしょうから、すぐに答えることができるはずです。

また、ある人はaというものを「100円」と置き換えて考えるかもしれません。
すると、bは200円で、cは400円であることがすぐに分かります。

もしかすると、式に置き換える人がいるかもしれない。

b=2a・・・①
c=2b・・・②

①を②に代入して、c=4a

実に数学的な考えです。

上のどの3人も、「bはaの2倍。cはbの2倍。では、cはaの何倍?」という文を、文そのままで考えるのではなく、違った形に、絵であったり、具体化であったり、数式化(数学語に翻訳したってことですね)したりと、自分が考えやすい『別のもの』に変化させて考えようとしています。

自分の土俵で勝負するための工夫をしなければ、「分かる」ことができないんですね。

そのために必要な第一歩、それはその与えられた問題を与えられたものとして、義務的な作業として終了させようという意識を変えること。そして、きっかけは与えられたものかもしれないけれども、今目の前にある問題は、自分こそが自分のために積極的に解くべき問題なんだというふうに意識を変えることなんだと私は思います。

そして、新風館に来て間もない子というのは、そういうことができない子ばかりですから、意識改革させることに注力することになるのです。

成績がどうこうってのは、そういうことが終わってから。
迂遠なようですが、実はこれが最短なんですよ。実際。

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